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成年後見人が関与する売買

2017.9.29

こんにちは。山本です。
本日は、後見人が関与する売買決済を担当いたしました。

成年後見人の制度は、ずいぶんと知られてきたように最近感じます。
成年後見制度を一言で表すと認知症、知的障碍者など事理弁識能力が不十分な場合に、行為能力を制限することで、本人の権利擁護を図る制度という事になります。

具体的には、本人の意思ではない不動産取引がされた場合、その取引を取り消すことが出来ます。
本人の財産管理を行う法定代理人として成年後見人が裁判所にて選任され、その成年後見人が本人に代わり法律上の契約を行っていきます。
当事務所でも8人の成年後見人を担当させていただいております。

今回の売り主様は認知症のため、財産管理を弁護士、身上監護は娘様というように職務分掌した上での成年後見人が選任されていました。

今回は不動産の売却になりますので、弁護士が取引の担当者という事で来られました。

成年後見人が不動産を売却する場合、居宅の売却には裁判所の許可が必要となりますが、本件は本人が相続により取得した田だったので、裁判所の許可は不要となります。

弁護士が成年後見人の場合、登記事項証明書に自宅記載の有無によって、書類に違いが出てきます。
不動産を売却する場合、印鑑証明書が必要となります。
今回もそうですが、登記申請に添付する印鑑証明書は市町村が発行する印鑑証明書となります。事案によっては裁判所が印鑑証明書を発行することもありますが、今回は省略します。

市町村が発行する印鑑証明書には自宅が記載されています。
そうなると成年後見の登記事項証明書に記載されている住所が自宅であれば、印鑑証明書の住所と同一になるので、とくに問題はありません。
しかし、成年後見の登記事項証明書に記載されている住所が事務所の住所が記載されている場合、印鑑証明書の住所が異なります。
そうなると成年後見の登記事項証明書に記載されている後見人と印鑑証明書の後見人が同一人物かどうかが分からない。という結果になります。

そこで、弁護士会にて発行された弁護士資格証明書という書類を弁護士会にて発行してもらうという事になります。
弁護士会では各支部でそのような書類を発行してもらえるみたいで、迅速に対応することが出来ました。
ちなみにその書類には事務所の住所と自宅住所が記載されており、それで本人の同一性を証明するという事になります。

司法書士会でも同じような書類があって、その書類は司法書士会連合会にて発行してもらうことになり、とても時間がかかります。以前、請求したときは2週間ぐらいかかりました。

今回は、担当弁護士も取引の事を理解してもらっていたので、権利書や印鑑証明書などの各種書類をすぐに揃えてもらい、スムーズな取引をすることが出来ました。

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