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家族信託の活用方法 その4(信託の終了)

2018.3.8

こんにちは。山本です。
今回は、家族信託が終了するときはどんな時なのか?について書いていきます。
家族信託の連載は、いったんここで終了させて、家族信託の事については適宜、ブログに書いていこうと思います。

信託契約が終了するのは、次のような場合が考えられます。
1.信託財産が亡くなった時
2.受益者が死亡したとき
3.信託期間が満了
4.合意解約
5.法定の信託終了
信託契約の目的は、基本的に受益者のために存在します。
そのため受益者が死亡したときには、信託は終了します。
場合によっては、受益権が承継するという信託契約も存在しますが、ここではその議論は割愛します。

また、信託財産がなくなった時も信託契約が終了します。
信託財産ってなくなるの?って思われる方もおられるかもしれません。
具体的には、預貯金を信託財産として信託します。
その信託財産から受益者に毎月○○万円を支払っていくタイプの信託契約があります。
お金なので、いつかはなくなります。
そうなると信託財産がなくなるので、信託は終了します。

信託期間、合意解約、法定事由については、割愛します。

そのように信託契約が終了した後は、財産はどうなるのか?という議論があります。
信託契約では、残余財産を分配するところまで決めます。
遺言と信託契約が双方存在している場合は、信託契約が優先するという考えがあります。

そもそも信託財産になるという事は、委託者の個人資産から分離するという性質を持っているので、そりゃそうだろ。という感じです。
そのため、信託契約にて残余財産の帰属先を決定した場合は、遺留分減殺請求の対象にならないという立場が大勢を占めています。
遺留分減殺請求の対象か否かについては、現在のところ判例が出ていません。
そのため判例によって考え方が変更になるかもしれません。

信託契約の流れは次のようになります。
1.委託者から受託者に信託を原因として、財産が信託財産となります。
2.その時に委託者の財産が、信託財産として個人資産から分離します。
3.受託者は、信託財産を信託の目的に基づいて財産を管理し、受益者に利益を配当していきます。
4.信託契約の中で管理方法を定めるので、その契約に基づいて管理していきます。
5.信託契約の終了事由が発生すると、信託契約が終了します。
6.信託財産が残余財産となり、信託契約に基づく財産帰属先に残余財産が帰属して終了します。

信託をご検討の方は、専門家に相談されることをお奨めします。
個人で行うのは、かなり難しいという印象を持ちます。

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