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権利証がない場合の手続き

2020.2.1

こんにちは。山本です。
今日の午前中は、本人確認で売主様のご自宅に訪問してきました。
2年ほど前に、お引越しをされたという和風建築で立派な家でした。

取引自体は来週を予定しているのですが、売主様は日程の都合で取引に出席できないという事で事前にお会いしてきました。

本日は移転登記手続に必要な印鑑証明書および登記済証のお預かり及び登記手続に必要な書類に押印をしてもらう予定で行きました。
ご自宅に入って、本人に手続きの流れ及び当日の動きの説明を行いました。
その後、登記手続に必要な登記原因証明情報および委任状に署名してもらいました。
それから印鑑証明書を確認し、実印の準備をしてもらい、押印した書類を預かりました。

そこまでは順調だったのですが、権利証をありませんか?
これですね。といって、渡された権利証は新居の権利証です。

ええ、違います。と伝えると、なんとそれ以外の権利証はありません。との事です。
困りました。

権利証がない場合に取引を行う方法として、いくつかの方法があります。
1.事前通知
2.資格者代理人による本人確認
3.公証人による本人確認

事前通知とは、法務局から通知が発信される方法です。
具体的には、権利証を提出することなく登記手続が法務局に対して行います。
権利証がなくても、登記申請は受理されます。
法務局で、権利証がない事が分かった時に、法務局から元の所有者に対して、「登記申請をしたのは、あなたですか?」という通知が来ます。
しかも、その通知は本人限定受取郵便という方式で来ます。
その通知に入っている書類に、実印にて押印して法務局に返送します。
仮に通知を受け取らなかった場合や返送期間内に実印にて返送しなかった場合は、登記申請が却下されます。

お金が動く取引などでは、事前通知は売主さんの意思に係る部分が大きいために採用されない場合が多くなります。
なぜなら買主さんからすると売買代金を払っているのに、売主さんが手続きに失敗すると買主名義に移転登記ができないという結論になってしまいます。

司法書士としては、移転登記がされないというリスクをとる訳にはいかないので、売買などの取引では事前通知は避けたいところです。

売買などの金銭が動く登記手続では、本人確認情報を使用する事が多くなります。
資格者代理人の本人確認とは、司法書士が事前もしくは取引当日に売主本人と面談を行い、本人であるという事を書類にて確認をおこないます。
本人確認を行った記録を本人確認情報として、権利証の代わりに提出して行う方法です。
移転登記などの登記申請を行う司法書士等が本人確認情報を作成します。

その本人確認情報の作成費用が、司法書士ごとによって費用は大きく変わってきます。
当事務所は3万円+消費税をもらっています。
事務所によっては、5万だったり、10万だったりします。
司法書士報酬は事務所毎に自由に決めることが出来ます。
そのため地域ごとや事務所毎によって費用は大きく変わっています。

それ以外に公証人による本人確認という方法もあります。
これは登記手続に必要な書類である委任状に売主本人が署名を行い、それに対して公証人が認証を行う方法です。
この方法だと事前に売主本人さんに公証役場に行ってもらう必要があります。
公証役場が近くにある人にとっては、リーズナブルな値段で本人確認という手続きができます。
ちなみに1万円かからない位でやってもらえます。

権利証がない場合でも、色々な手続きが用意されています。

ちなみに今回のケースは、売主本人が業務時間中に公証役場に行く事ができないので、資格者代理人による本人確認の方法で進行する事になりました。
近隣の町に公証役場があり、日中に移動する事が出来るのであれば、公証人による本人確認という方法も使い勝手が良いとおもっています。

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