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財産区の登記
こんにちは。山本です。
財産区の手続がある程度、完了しました。
すこし時間がかかってしまいましたが、ホッとしております。
そもそも財産区って、なんですか?という事ですよね。
日本は、昔から農耕社会でした。
そのため水や山林の管理を村単位もしくは部落単位で行っていました。
水は農業用水を、個人が独占すると村全体が殺伐とし、争いになるからです。また、山林は燃料の確保のためになります。
当たり前のことですが、昔はガスや水道がなかったために、集落ごとの管理が必要でした。
それで日本が戦争で負けたために、GHQが欧米の価値観を日本の農村にも導入します。
それが農地改革であったり、財産区の整備などになります。
現在の農業法人の社長が地主、農業法人の従業員が小作人として考えると何ら問題ないのですが、それを無理やり従業員を個人自営業者にしてしまうという政策になります。
経営を行ったことがない人に、急にやれよと言われてできるのかは、難しいよね。って話になります。
財産区の話に戻しますが、財産区として、個人若しくは寄合のものであるとの決議がされなかったものは、地方公共団体が引き継ぎました。例えば、ため池、水路や堤防などがそれにあたっていきます。興味がある方は、ポツダム政令で検索してもらえれば、と思います。
しかし、戦争が終わったいざこざで、政令が考えたような決議がされたのかどうか不明のまま、現在まで放置されているケースがほとんどだと思われます。
実際には、墓地や山林は、放置されることになり、場合によっては、個人の所有者若しくは部落の団体として公民館という寄合の組織が残ったので、公民館に引継ぎがされたりしました。
今回の事案は、地域の所有だったものが、○○町内の表題部が残っているという土地について相談を受けました。
当該土地の管理は近くの公民館が行っていましたが、移転登記を行う場合には、公民館名義もしくは公民館館長の名義にしなければなりません。
すでに○○町内という財産区は存在しておらず、現状に合わせる必要があるからです。
そこで当該土地が地方公共団体の管理下に入っていないのかどうかを確認します。それは税務課若しくは管財課に確認すれば大丈夫です。
しかし、市町村は財産区に入っていない証明を提出することは難しいケースが多いです。
入っていない証明は、悪魔の証明と一緒で、ある事の証明はできますが、無い事の証明は非常に難しいためです。
それで今回は、市町村長の名前で、○○公民館の所有であることの証明書を作成していただきました(この協議もかなり苦戦しました)。具体的には、どの課が発行するのか?納税義務者は分かるが、納税義務者イコール所有者という事にはならないよね。とか、そんな議論を行いました。
その後、公民館規約および代表者(館長)の選任したことを証する書面を提出しました。
その結果、表題部は、館長個人名義に表示更正をすることが出来ました。
当事者がいない場合の所有権証明書を作っていくのは難しいと思った次第です。
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